アフリカの消え行く種:淡水魚テラピア

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ナショナルジオグラフィック式日本語サイト 9月3日(金)13時52分配信
 アフリカの淡水域に生息する生物種の20%以上が絶滅の危機に瀕していることが、国際自然保護連合(IUCN)の最近の調査でわかった。IUCNは、淡水魚、軟体動物、カニ類、植物、昆虫など5167種を対象に5年間の評価作業を行っている。

 写真のシクリッドの一種、シンギダテラピア(学名:Orecochromis esculentus)はかつて釣りの対象魚として人気が高かったが、いまでは侵略的外来種の餌食となって絶滅寸前まで追い込まれてしまった。

 IUCNの2009年度レッドリスト最新版では、調査対象となった淡水魚3120種のうち37%に絶滅の恐れがあると評価されている。

(Photograph courtesy Oliver Lucanus)

個人の意見

 外来魚=害魚扱いされている一方で、元々の生息地では絶滅の危機に晒されていたりする矛盾。
ヘラブナ釣りの大外道「ワタカ(環境省レッドデータブック絶滅危惧種1B類に指定)」も、同じような扱いの記事があります。

■2002年3月13日 読売新聞 大阪朝刊
琵琶湖再生の“救世主”ワタカ 水草など食べアオコ抑制 県水産試験場=滋賀
 ◆生態系への影響少なく放流計画
 今ではほとんど見られなくなった琵琶湖の固有魚ワタカ(コイ科)が、琵琶湖を汚す水草や、アオコの原因となるアオミドロを大量に食べ、琵琶湖の掃除係になれることが県水産試験場彦根市)の金辻(きんつじ)宏明主任技師(31)の研究でわかった。アオコの発生しやすい真夏の高水温で最も活発に水草などを食べる上、生態系への影響も皆無とみられ、琵琶湖の「救世主」には適役。増殖、放流技術を確立すれば、琵琶湖の再生が大きく進むことが期待される。
 琵琶湖の水を流した水槽(一トン)にオオカナダモと一年魚ワタカ(百二十グラム)五匹を一緒に入れて育てた。五週間後、ワタカを入れなかった水槽にはオオカナダモがびっしりと茂り、アオミドロも水面を覆うようになったが、ワタカを入れた水槽はアオミドロの発生はほとんどなく、四週間後、オオカナダモもほとんど消え、水もきれいに保たれていた。

■2002年1月7日 中日新聞 朝刊
これが干支にちなんだ「馬魚」 草津の県立琵琶湖博物館 ワタカの未成魚10匹展示
 【滋賀県】今年の干支(えと)にちなみ、「馬魚(うまうお)」との呼び名があるワタカの子どもが、草津市下物町、県立琵琶湖博物館に展示されている。
 ワタカは、コイ科の魚で琵琶湖の固有種。成魚で体長二〇-三〇センチになる。雑食性だが、水草などを好んで食べることから、奈良県では「馬魚」と呼ばれる。水草帯など生息場所の減少や外来魚の影響から近年、生息数が減り、県の「滋賀県で大切にすべき野生生物(二〇〇〇年版)」で絶滅危ぐ種になっている。
博物館は、琵琶湖の内湖で採取したのを一昨年に八十匹繁殖させた。そのうち、体長五-八センチの未成魚十匹を水族展示のふれあい体験室前に水槽に入れて展示している。