ヘラブナ呼び戻せ 人工浮島で水質浄化

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毎日新聞 9月16日(木)10時54分配信
 ◇漁協と住民が力合わせ
 水質の悪化が問題になっている大沼国定公園の大沼(七飯町)で、特産品だったヘラブナを復活させようと、地元の漁協組合員やボランティアが「大沼の水をきれいにする会」(山岸良作会長)を今月設立し、人工浮島を使った浄化作戦に乗り出した。いかだにヨシを根付かせ富栄養化の元となる窒素やリンを吸収、水質を改善する取り組みで、協力者を募っている。【近藤卓資】
 大沼は1640年の駒ケ岳噴火で、折戸川の流れがせき止められて誕生した。周囲26キロには豊かな自然が残るが、沼は流域の開発による土砂の流入や家庭排水で水質悪化が目立つようになり、水の汚れを表す化学的酸素要求量(COD)が80年から環境基準を超えるようになった。95年ごろからは、富栄養化植物プランクトンが異常発生するアオコも目立つ。
 この影響で、洗いやみそ煮にするとおいしいヘラブナの漁獲量が激減。約30年前には年間15トンの出荷があったが、現在は釣り人がたまに釣り上げる程度で出荷量はゼロだ。
 ◇魚の産卵場所にも
 数年前から地元の研究者らがいかだを使った実験に取り組み、日光の遮断や窒素、リンの吸収などによるアオコの抑制効果や、浮島が魚の産卵場所にもなることが確認された。6月からは同会副会長の宮崎誠さん(61)らが中心になっていかだ作りを本格化させ、これまでに間伐材を使ってヨシを植えた3・6メートル四方の約40基が完成。年内に50基まで増やす予定という。
 「緑の浮島」による水質浄化は、霞ケ浦茨城県)、渡良瀬遊水池(栃木、群馬県)などでも試みられている。昨年、神奈川県の平塚市役所を退職し、故郷に戻って大沼の汚染に落胆したという宮崎さんは「長い作業になるが、アオコがなくなり、ヘラブナが戻ってくるまで根気よくやりたい」と話している。
 いかだを1基作るのに約1万円かかるため、同会では会員を募集している。問い合わせは大沼漁協(0138・67・2329)。

9月16日朝刊

個人の意見

 あの大沼ですら、ヘラブナが減少していました。

>沼は流域の開発による土砂の流入や家庭排水で水質悪化が目立つようになり、水の汚れを表す化学的酸素要求量(COD)が80年から環境基準を超えるようになった。

>これまでに間伐材を使ってヨシを植えた3・6メートル四方の約40基が完成。年内に50基まで増やす予定という


 こうした問題の理由は大概「産卵床の減少」ですね。