ザリガニが減った 湿地「ふけ田」



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 田辺市本宮町、自然体験施設「皆地いきものふれあいの里」の湿地「ふけ田」に生息する、外来生物アメリカザリガニの個体数が激減していることが分かった。市が毎年行っているザリガニ釣り大会の今年の捕獲量がピークの7分の1まで減った。市環境課は「この状態を維持して、在来の生き物が帰ってくるのを期待したい」と話している。
 今年のザリガニ釣り大会は12日にあり、53人が参加して計673グラムを釣り上げた。大会は2006年から始め6回目になるが、最も少なかった。初回の06年10月は61人が参加して4150グラム。07年5月は最多の参加者があり、117人で4935グラムを捕獲した。同年10月は4405グラム(48人)、08年10月は2835グラム(67人)、09年9月は1664グラム(64人)と年々減少している。
 09年度の動植物調査では過去3年で最多の22種のトンボが確認された。中でも湿地環境の指針となるイトトンボ科が4種類(オオイトトンボ、キイトトンボ、ホソミイトトンボ、アジアイトトンボ)記録された。
 田辺市は、水生生物激減の一因となっているザリガニを減らそうと、06~08年度に溝(幅約90センチ)をしゅんせつして底を下げ、さらに湿地から溝へ水が流れ出るよう、あぜ道に幅20センチほどの水路を複数造った。
 市環境課は「餌も少なくなり、ザリガニがすみにくい環境になってきた可能性がある。しかし、在来の水草や水生昆虫はいまだ少ないと思われる。ザリガニを現在の生息密度より増やさないようにして、自然環境の回復を待ちたい」と話している。

 12日にあった本年度アメリカザリガニ釣り大会の結果は次の通り。

【個体の部】
 (1)大平雄一朗(田辺市朝日ケ丘)23グラム
 (2)吉本凌真(同市龍神村
 (3)下岡春菜(同市中辺路町
【総重量の部】
 (1)吹揚ファミリー(田辺市新万)190グラム
 (2)藍端ファミリー(同市あけぼの)
 (3)松村ファミリー(同市稲成町)






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 アメリカザニガニが繁殖している和歌山県田辺市本宮町の自然体験施設「皆地いきものふれあいの里」にある湿地「ふけ田」1件で、田辺市が溝への水路を造って陸地化させたところ、在来メダカが増えていることが分かった。ただ、ザリガニの幼体も多く見られることから、予断を許さない状態が続いている。市環境課は、溝に捕獲かごを設置してザリガニの駆除を始めており「夏の時季に集中駆除したい」と話している。

 今春、増えすぎたアメリカザリガニを溝に集めて捕獲するため、溝(幅約90センチ)の泥を取って約20センチ底を下げた。さらに田んぼから溝へ水が流れ出るように、あぜ道(幅約1.5メートル)に幅20センチほどの水路を複数造った。

 同課によると、6月中旬ごろから水位の下がった田んぼで大きなザリガニの姿が少なくなり、メダカが目立つようになってきたという。しかし、トンボ類は少なくオオシオカラトンボのペアが数組飛来している程度。水生昆虫ではアメンボとコミズムシが見られる。

 南紀生物同好会会員は「オオシオカラトンボは環境の変化に強い種類で、ヤゴの遊泳力の弱いイトトンボ類などはまったく見られない。依然トンボ類は回復していない」と指摘している。

 同課は「長い目で見ないと成果は分からない。このままの傾向が維持できるなら、来年以降も駆除や整備を続けたい」と話している。

 近年、ふけ田のトンボ類や水生生物が激減しており、専門家らは、その一因としてザリガニの爆発的な増加を挙げている。市では毎年釣り大会を開くなど駆除をしているが、生息数を減らすまでには至っていない。昨年8月末、少雨で田んぼの水が減ったときにザリガニが溝に集まっているのを見つけ、人工的に水を減らして一網打尽にすることを思いついた。


【溝に水を流して陸地化させた湿地(和歌山県田辺市本宮町皆地で)】


 和歌山県田辺市環境課は、同市本宮町の自然体験施設「皆地いきものふれあいの里」にある湿地「ふけ田」で、繁殖したアメリカザリガニを溝に集めて捕獲するため、溝のしゅんせつと田んぼの水位を下げる工事をしている。3月上旬に完成予定。

 同課によると、昨年8月末、少雨で田んぼの水が減ったときにザリガニが溝に集まっているのを見つけ、人工的に水を減らすことを思いついた。

 溝(幅約90センチ)の泥を取って約20センチ底を下げる作業。延長約200メートルを予定している。このほか、田んぼへの流水を断ち、田んぼと溝を隔てるあぜ道(幅約1・5メートル)に幅20センチほどの水路を複数造って田んぼの水位を下げる。

 担当者は「水が最も減る時季を見計らって、溝に捕獲わななどを設置して一網打尽にする。1匹でも多く捕獲して生息密度を下げて水生生物がすめる環境を取り戻したい」と話している。

 近年、ふけ田のトンボ類や水生甲虫が激減しており、専門家らは、その一因としてザリガニの爆発的な増加を挙げている。市では毎年釣り大会を開いて駆除しているが、生息数を減らすまでには至っていない。

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【ふけ田の溝の底を下げる作業が始まった(和歌山県田辺市本宮町皆地で)】

(2009年02月28日更新)


個人の意見

>餌も少なくなり、ザリガニがすみにくい環境になってきた可能性がある。

 死肉、植物(稲の根)など何でも食らうザリガニすら棲みにくくなる環境って・・・。