釣り人警戒? ヒシクイ激減


河北新報 11月9日(火)11時15分配信
 ラムサール条約登録湿地の化女沼宮城県大崎市古川)で、条約登録の要因となったヒシクイの数が激減していることが8日、分かった。同日開かれた大崎市化女沼湿地保全活用検討会で専門家が報告した。ヒシクイがねぐらにする湖面の近くで釣りをする人が後を絶たず、警戒心の強さから別の沼へ移動している可能性があるという。

 化女沼で水鳥の観察を続けている「雁(がん)の里親友の会」(大崎市)の池内俊雄事務局長によると、昨冬のヒシクイの飛来数は多い日で2800羽。ピークだった2002年冬季(最大6700羽)の半分以下に落ち込んだ。
 減少の要因として、池内さんがまず挙げるのは釣り人の存在だ。化女沼ブラックバスなど外来魚が多く生息し、自由に釣りができる。ヒシクイのねぐらは陸に近く、「餌場から戻る夕暮れ時に釣り人がいれば、近寄らないだろう」とみる。
 化女沼東北自動車道長者原スマートインターチェンジから数分の場所にある。地元住民は「週末は車が何台も停車し、早朝や夕暮れに釣りをする人を見掛ける」と証言する。
 地球温暖化に伴い、従来は中継地だった秋田県でも越冬できるようになるなど、飛来地が分散したり、治水ダムでもある化女沼の水位上昇でねぐらが水没したりした影響もあるとみられる。
 化女沼は08年にヒシクイの国内有数の越冬地としてラムサール条約に登録された。池内さんは「釣り人がすべての原因ではないが、ラムサール湿地だということを何らかの方法で周知していく必要がある」と指摘する。

ヒシクイ>国の天然記念物で、環境省レッドデータブックで絶滅危惧(きぐ)種に分類される。全長80~90センチ。警戒心が強く、わずかな環境の変化にも敏感。名前は水草のヒシの実を好む点にちなむ。カムチャツカ半島から北海道や秋田県を経由し、化女沼には例年11月ごろ飛来する。

個人の意見

減少の要因として、池内さんがまず挙げるのは釣り人の存在だ。化女沼ブラックバスなど外来魚が多く生息し、自由に釣りができる。


 釣り人、外来魚、悪者にされやすいみたいですね。
注意しましょう。