水田フナ養殖

特産の味「毎年楽しみに」 佐久の試験場でフナ配布
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 佐久浅間農協養魚専門委員会は8日、県水産試験場佐久支場(佐久市高柳)で、今年水田で小ブナを養殖するための、採卵用の親ブナを配布した。市内外の農家90戸から申し込みがあり、今後卵を産ませて特産の小ブナに育てる。小ブナは9月ころに甘露煮などにして楽める。

 親ブナは重さ150-200グラムほどで、1キロ1100円(税別)で合計1トンが配られた。5月下旬から水草に卵を産ませ、卵を水草ごと水田に移す。かえった稚魚は9月までに重さ5グラムほどに育つという。小ブナは家庭で料理するほか、農協を通して販売する。昨年は佐久地域で15トン弱の水揚げがあった。

 10キロを申し込んだ佐久市鍛冶屋の農業小野沢次夫さん(79)豊子さん(75)夫妻は「毎年のことで、親せき中が楽しみにしている。とても評判がいい」と話した。

 同農協によると、フナを育てた水田で栽培したコメは「鮒(ふな)米」として売り出され、安心して買える低農薬米として消費者にも評判が良いという。

(提供:信濃毎日新聞


佐久市特産の「水田フナ養殖」用の親ブナの配布が8日、佐久市高柳の県水産試験場佐久支場で行われた。JAの佐久平フナ部会を中心とした生産者約90人に親ブナ約1200キロが配られた。親ブナは水田10アール当たり10キロ放流する。主に転作田や休耕田で飼育するが、稲作田でも飼育され、生産された米は低農薬栽培した「フナ米」として出荷されている。
佐久地域で生産されるフナは「改良ブナ」とも呼ばれ、1972年ごろ、同支場で育種されたもの。試験場は約10グラムのフナを2年かけて約100~150グラムに育てる。骨が柔らかく味が良いのが特徴だという。
例年5月上旬に親ブナを配布。下旬に卵を産ませ、生まれた稚魚を約3カ月水田で飼育、9月上旬から小ブナとして出荷する。
昨年から全量を同支場で養成し、今年の親ブナも例年並みに生育が良い。JAは秋の小ブナ集荷を約15トン見込んでいる。
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写真=親ブナを配布する部会員
2008年5月10日「日本農業新聞」甲信越ワイドから

(参考)水田フナ養殖の概要
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(1) 5月下旬~6月上旬にかけて「親ブナ」に卵を産ませ、生まれた稚魚を約3ケ月間水田で飼育して、体重が5g(体長は約5㎝)程度になる秋(9月上旬~10月)に取上げる養殖方法です。

(2) 佐久地域で養殖されているフナは「改良ブナ」とも呼ばれ昭和47年頃水産試験場佐久支場において「緋(ひ)ブナ」系統の黒いフナから選抜育種されたもので、骨が柔らかく、味が良いと言う特徴があります。

(3) 秋に取り上げられた「小ブナ」は、農協やスーパー等で市販され、秋の味覚(甘露煮)として佐久地方では広く一般家庭で食されています。

(4) 佐久管内の生産量は年間約20t、生産農家は約200戸です。

(5) 水田フナ養殖はJA佐久浅間のフナ部会が中心となり、佐久平一帯で広く行われており稲作生産調整の転作品目として普及しています。また、フナの飼育水田では農薬の使用量が少なくなるため、低農薬米の生産にも一役買っています。

(6) 各農家は親ブナを越冬させて毎年産卵に使いますが、越冬期間中に減耗があるため、新しい親ブナを補給しなければなりません。このため、水産試験場で生産した親ブナは例年5月上旬にJA佐久浅間(さく南部営農センター TEL:0267-62-8145)を通じて各農家へ配布されています。

長野県水産試験場佐久支場
支場長:羽毛田 則生、担当:熊川 真二
TEL:0267-62-0162
FAX:0267-64-1150
E-mail:suisansaku@pref.nagano.lg.jp

親ブナ:水田養殖用に配布--県水試佐久支場 /長野
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毎日新聞 5月12日(木)12時39分配信
 佐久市高柳の県水産試験場佐久支場で11日、水田で小ブナを養殖するための親ブナが配布され、約80戸の生産農家が計約900キロを受け取った。親ブナは今月末に産卵し、ふ化した稚魚は秋に体長3~5センチに成長。小ブナは佐久地域特産で、秋の味覚の甘露煮として重宝される。
 親ブナは卵を抱えたメスとオスで体長15センチ前後の2年魚。一部減反した水田に放し、産卵させる。成長した小ブナは自家消費などを除いた約12トン分を農協を通じて販売する。
 さらにフナ養殖の水田で育った米は有機米「ふな米」として人気があるという。同市三塚の篠原宗雄さん(78)は「水田60アールで小ブナの収量は約500キロ。秋には親戚に配って喜ばれる。米は京都の顧客に送っている」と話した。【藤澤正和】

5月12日朝刊


京都新聞 5月11日(水)10時29分配信
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ニゴロブナの稚魚を水田に放つ生徒(長浜市・長浜農高)

 滋賀県長浜市の長浜農高は10日、学校の水田にニゴロブナの稚魚約5万匹を放流した。湖魚を水田で育て農薬を使わず米作りを行う取り組みの一環。5月下旬にはホンモロコの稚魚も放つ。
 水田の生物多様性に理解を深め、種の保全を目的として、県水産試験場の協力を得て2006年度から実施。湖魚が育ちやすい農法で栽培した米は昨年度の「全国お米甲子園」で特別優秀賞を受賞した。
 放流は雨の中で、水田3・4ヘクタールのうち1区分の30アールで行った。生物活用科の3年生3人が、試験場から持ち帰った稚魚を田植えの終わった水田に優しく放した。
 稚魚は7月中旬には3センチほどに育ち、水田の中干しで水を抜いて琵琶湖に放流する。村井勇治君(17)は「水田の管理が大変ですが少しでも多く大きく育ってほしい」と話した。


個人の意見

 フナを利用する農耕方法が広まると、各地でフナの魚影が濃くなりそうな・・・何かを駆除して何もいなくなるより、健全な感じがします。

 ちなみに、水田に放たれるフナですが
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 食味や環境順応力を高めた魚なのかも知れませんネ。