埼玉県内水面漁場管理委員会「外来魚2種のリリース禁止エリア拡大」


産経新聞 5月28日(土)16時35分配信


 川の生物を外来魚から守るため、埼玉県内水面漁場管理委員会は今年度、特定外来生物に指定されている「コクチバス」と「チャネルキャットフィッシュ」の2種について、捕獲した際の再放流(リリース)を禁止する地域を一部の河川から県内全域に拡大した。外来魚の脅威から、川の生き物を守れるか-。

 禁止されているのは、池や川で一度獲った魚を再度放す行為。対象は、「ブラックバス」と総称される魚の中でも口が小さいコクチバス(スズキの一種)と、「アメリカナマズ」と呼ばれるチャネルキャットフィッシュ(ナマズの一種)。

 平成12年、志木市内の荒川でコクチバスが確認され、委員会は一部河川での再放流を禁止。だが、その後も荒川水系を中心に生息域を拡大し、ついに昨年10月には荒川最上流の秩父湖でも確認された。一方、チャネルキャットフィッシュは20年以前から捕獲例があり、21年も利根川入間川で捕獲された。

 これらの外来種は肉食で繁殖力が強く、生態系への影響が懸念される。このため、特定外来生物法は「オオクチバス」や「ブルーギル」と同様、両種の放流を禁止している。

 実際、県内のアユやコイ、ウナギなどの漁獲高は減少の一途。漁業者が減ったのも一因だが、20年には10年前の約4分の1の計311トンにまで落ち込んだ。

 外来魚は県内でもすでにかなりの範囲に拡大しているため、県は21年度から国の緊急雇用創出事業を活用し、約20人を雇い外来魚の駆除作業を実施。また、今年度からはコクチバスとチャネルキャットフィッシュの再放流禁止を県内全域に拡大、規制の網を広げた。

 県生産振興課では「埼玉は川が多く、外来種の拡大は侮れない。今までいた生物がいなくならないよう、県を挙げて取り組む」と説明。再放流禁止の対象となる魚は、食べるか埋めるなどして処分することを求めている。

個人の意見

>チャネルキャットフィッシュ

 「アメリカナマズ」と呼んでいる魚種です。