餌の真偽


毎日新聞 1月9日(日)11時34分配信
 川もいいが海も好きだ。懲りずにまた釣りの話である。海は引きが力強く、魚種も多い。さまざまな料理にも化ける。
 昨秋は釜石市内の漁港で、イカを餌に80センチ前後のアナゴ3匹を釣った。天ぷらとお吸い物にして舌鼓を打った。豊かな三陸のたまものだ。
 釣りは、生きた餌と疑似餌(ルアー)の二つに大別される。生き餌に対する魚の反応は良く、釣果は素人ならルアーを上回るだろう。ルアーは、魚が食べる小魚や虫に似せた餌を、狙ったポイントに投げ込んで生きているように動かす。魚を「だます」技術を磨き、思い通りに竿(さお)先がビクンと動いた時の喜びは、この上ない。
 今春は4年に一度の統一地方選がある。直近の衆院選参院選では、魚(有権者)目当ての釣り人(候補者)が投げた、うまそうな餌(言葉、主張)に釣られて(投票して)しまったかもしれない。餌が本物だったら報われるが、だまされたとしたら……。我が身を振り返り、餌の真偽を見極める。その時間はまだある。【狩野智彦】

1月9日朝刊

個人の意見

 変なものだったら、カラツン出してやる。