被災地=騒ぎながら写真を撮る見物人

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捜索作業の妨げになる“見物人”を規制するために作られた通行許可証=宮城県亘理町で2011年4月5日、丹野恒一撮影



毎日新聞 4月5日(火)19時50分配信


 ガソリン供給や道路事情の改善で東日本大震災の被災地への交通アクセスが改善されるにつれ、被災地への“見物人”が増え始めている。行方不明者の捜索やがれき撤去の妨げになるケースもあり、宮城県亘理町は被害が大きい地域に入る車両を規制することを決め、町長が発行する通行許可証を5日から被災者に配り始めた。

 県南部の亘理町は震災で死者238人、行方不明54人の被害(4日現在)を受けた。町災害対策本部によると、津波で住宅が流されたり、海岸から離れた場所に漁船が漂着するなど無残な姿の被災地に県外ナンバーの車で乗りつけ、騒ぎながら写真を撮ったりする人が最近になって徐々に目立つようになった。

 先週末には、がれきをよけてようやく1車線分が確保された道路に、こうした車が数珠つなぎになる光景も見られたという。中には県外から駆け付けた被災者の親類などが交じっている可能性もあるが、防犯ボランティアが身元や目的を尋ねると言葉を濁して立ち去る人が多いという。

 町内では自衛隊や他県からの消防応援など計300人以上が行方不明者を捜索しているが、災害対策本部によると「捜索しようとしても、撤去したがれきを運ぶダンプカーが渋滞に巻き込まれてしまう。3分で行ける仮処分場まで30分かかることもある」という。

 そこで独自の通行証3000枚を急きょ作成。避難所などで配布したうえで、被災地に通じる道の主要ポイントでチェックすることにした。担当者は「手間は増えるが、一刻も早く一人でも多くのご遺体を見つけ、復興につなげるために理解してほしい」と話す。【丹野恒一】

個人の意見

 首都圏の商店街も、最初にヤジウマが街を徘徊した。
「あの店、酷いよ、見てきてごらん」などヤジウマ同士が情報交換したり、店舗清掃している人へ「どのくらいの損害が出た? 」とか、破損箇所を写メ、知らばっくれて「何があったのですか」なんて声を掛ける人までいた。

 現場のピリピリしている神経を逆なでする行為に、思わず拳を振り上げそうな衝動を抑えるストレスでさらに疲労した。

 津波被災地で、そんな愚行は慎んでいただきたい。