女子大生発見、 越前市に絶滅危惧種アブラボテ 生息域北上

イメージ 1


福井新聞ONLINE 11月19日(火)8時8分配信


 淡水魚タナゴの仲間で福井県域絶滅危惧2類種のアブラボテが福井県越前市余川町に生息し、県内分布域が拡大していることを福井大の女子学生が突き止めた。日本海側では敦賀市が北限とされてきたが、個体を確認した用水路は約30キロ北にある。一帯は田園が広がり河川に近く、豊かな里山環境が生き物の“ゆりかご”となることを示した形。

 第一発見者は同大教育地域科学部4年の安久(あんきゅう)沙也加さん(25)=越前市。10月中旬、カエルの分布調査で同市内を散策した際に変わった魚を見つけた。さらに調査をしようと、タナゴに詳しい同級生の山崎由美子さん(22)=福井市=、指導教官の保科英人准教授(昆虫学)と一緒に現場を訪れた。

 越前市余川町の用水路は幅1・5メートル、深さ2メートル、水深は最大0・5メートル。底に薄く泥が積もり、タナゴの仲間が産卵する二枚貝が多くいた。体長6、7センチの魚2匹を調べたところ、コイ科タナゴ亜科のアブラボテと判明。11月の再調査でも5匹確認でき、相当数の個体の生息地だと分かった。

 県レッドデータブック動物編(2002年)には「嶺北には分布せず、嶺南の笙の川水系と北川水系に分布」「数が激減している」とあり、敦賀市の中池見湿地が日本海側の北限とされてきた。

 動植物のリストは14年度末の公表に向けて初の改訂作業が続けられている。発見を受け、アブラボテの紹介文は変更されるとみられる。

 改訂事業の淡水魚副部会長、松田隆喜・福井農林高教諭は「水質汚濁などで二枚貝が減る中、アブラボテとセットで見られたことは水環境の良さを物語る」と指摘。

 分布がいつ、どのように拡大したかは不明とした上で「淡水魚の生息域は河川中心に調べられてきた。近年は余川町のように水路と水田が入り組む場所に注目が集まっている。里山生物多様性が密接に関わっていることが裏付けられた」と評価している。

 新発見について安久さんは「緑豊かな福井では貴重な生き物がどこに隠れているか分からない。多くの人に古里の自然を見つめてほしい」と話している。保科准教授は論文にまとめ公表する考え。


個人の意見

 女子大生という響きで、オールナイターズを思い出しました。
そういう世代なので。